2007年 09月 28日
『三ツ矢サイダーの逆襲』(完結編) |
仕事の途中に中秋の名月でも拝もうかと、森に入った。
私は、月に1エーカーほどの土地を持っているので、ついでにその場所でも探してみようかとも思った。
森の中は、梢を透かして幾条もの白い光芒が地表を突き刺していた。私はそれを頼りに緩やかな坂道を登った。
暫くしてから、ふと夜空を仰ぎ見ると、南の空に月ではなく「三ツ矢サイダー」が浮かんでいた。
私は息を呑んだ。
森の奥から聞こえてくる小鳥の羽ばたくざわめきが、何か不吉なことが起こることを私に告げていた。のど笛のような音をたてた風が起こり、下草から梢まで激しく揺らした。金色の月の輪郭が膨らみはじめると、突然ぼやけた外輪が周囲に飛び散り、ナイアガラの滝のように私に降りかかってきた。私は激烈な恐怖を覚え悪寒に震えながら、今来た道を全速力で下った。三ツ矢サイダーは、嘲笑のなごりを残したまま私を追いかけてきた。
三ツ矢サイダー・・・
レモン・・・
ぶどう・・・
昔ながらの・・・
私は気が狂いそうだった。
目に入るものすべてが、三ツ矢サイダーシリーズだったからである。
遠くで犬の遠吠えが聞こえると、私の視界は深い闇に包まれた。
さようなら、ぼくたちの「三ツ矢サイダー」・・・。
私は、月に1エーカーほどの土地を持っているので、ついでにその場所でも探してみようかとも思った。
森の中は、梢を透かして幾条もの白い光芒が地表を突き刺していた。私はそれを頼りに緩やかな坂道を登った。
暫くしてから、ふと夜空を仰ぎ見ると、南の空に月ではなく「三ツ矢サイダー」が浮かんでいた。
私は息を呑んだ。
森の奥から聞こえてくる小鳥の羽ばたくざわめきが、何か不吉なことが起こることを私に告げていた。のど笛のような音をたてた風が起こり、下草から梢まで激しく揺らした。金色の月の輪郭が膨らみはじめると、突然ぼやけた外輪が周囲に飛び散り、ナイアガラの滝のように私に降りかかってきた。私は激烈な恐怖を覚え悪寒に震えながら、今来た道を全速力で下った。三ツ矢サイダーは、嘲笑のなごりを残したまま私を追いかけてきた。
三ツ矢サイダー・・・
レモン・・・
ぶどう・・・
昔ながらの・・・
私は気が狂いそうだった。
目に入るものすべてが、三ツ矢サイダーシリーズだったからである。
遠くで犬の遠吠えが聞こえると、私の視界は深い闇に包まれた。
さようなら、ぼくたちの「三ツ矢サイダー」・・・。
by niagara-cafe
| 2007-09-28 21:53
| ■大滝詠一■
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Comments(4)
あはは、何でそんなに三ツ矢サイダーが好きなんですか(笑)。
次の物語も楽しみです!
次の物語も楽しみです!
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Imagine-Master
at 2007-09-28 21:52
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あなたはまだ、北海道練乳仕立ての「三ツ矢 白いサイダー」の恐怖をしらない……
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niagara-cafe at 2007-09-29 18:01
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niagara-cafe at 2007-09-29 18:04
Imagine-Masterさん
北海道練乳仕立ての「三ツ矢 白いサイダー」が非常に気になります。
三ツ矢サイダーネタも終了したので、正直に打ち明けますと、、、
実のところ、ぼくは三ツ矢サイダーが、あまり好きではありません><!
北海道練乳仕立ての「三ツ矢 白いサイダー」が非常に気になります。
三ツ矢サイダーネタも終了したので、正直に打ち明けますと、、、
実のところ、ぼくは三ツ矢サイダーが、あまり好きではありません><!