2005年 06月 24日
世界の終わり |
このまま雨が降らなければ、7月3日には、貯水池の水は完全に無くなるそうだ。
昨日、南の空に夏雲を見た。
まさに梅雨の終わりを告げるような立派な積乱雲だった。
本来ならその雲は、私にとって、希望に満ち溢れた季節を予兆させるものであるが、今日に限っては何だか、万に一つの僥倖すら、跡形も無く玉砕してしまうような巨大な軍艦に思えた。
歩道の植込みの雑草も枯れ始めている。
この季節になると、中央分離帯や歩道の植込みに雑草が腰高まで生い茂り、草いきれがむんむんと立ちこめ、この街の退廃を容易に想像することが出来るのだが、今年はいつもの勢いが無い。
「どうした雑草根性を見せろ!」
と叱咤したところで、雑草は微かにうめくだけであった。
外から帰ってきて、喉の渇きを認めた。
暑いときには、熱い珈琲に限る!
ということで、最後の「メキシコの風」を淹れることにした。
膨らみは全く無い。
もう一度叫ぶ
「どうした雑草根性を見せろ!」
と・・・。
私は何だか、黄塵舞い上がる砂漠に水を撒いているような錯覚に囚われてしまった。
喉笛のような朔風が止み、重厚な雷雲が虚空の端へ押しやられると、鈍く輝く月が顔を覗かせた。
水平線がくっきりと浮かび上がり、薄墨の虚空と漆黒の大海とを分けた。
丘陵にある残された最後の巨木の梢からは、一粒の滴が落ち、磨き上げられた鏡面を叩いた。
それは、水面に映し出された月をゆっくりと揺曳させ、乾いた音を闇の世界に響き渡らせるのだった。
昨日、南の空に夏雲を見た。
まさに梅雨の終わりを告げるような立派な積乱雲だった。
本来ならその雲は、私にとって、希望に満ち溢れた季節を予兆させるものであるが、今日に限っては何だか、万に一つの僥倖すら、跡形も無く玉砕してしまうような巨大な軍艦に思えた。
歩道の植込みの雑草も枯れ始めている。
この季節になると、中央分離帯や歩道の植込みに雑草が腰高まで生い茂り、草いきれがむんむんと立ちこめ、この街の退廃を容易に想像することが出来るのだが、今年はいつもの勢いが無い。
「どうした雑草根性を見せろ!」
と叱咤したところで、雑草は微かにうめくだけであった。
外から帰ってきて、喉の渇きを認めた。
暑いときには、熱い珈琲に限る!
ということで、最後の「メキシコの風」を淹れることにした。
膨らみは全く無い。
もう一度叫ぶ
「どうした雑草根性を見せろ!」
と・・・。
私は何だか、黄塵舞い上がる砂漠に水を撒いているような錯覚に囚われてしまった。
喉笛のような朔風が止み、重厚な雷雲が虚空の端へ押しやられると、鈍く輝く月が顔を覗かせた。
水平線がくっきりと浮かび上がり、薄墨の虚空と漆黒の大海とを分けた。
丘陵にある残された最後の巨木の梢からは、一粒の滴が落ち、磨き上げられた鏡面を叩いた。
それは、水面に映し出された月をゆっくりと揺曳させ、乾いた音を闇の世界に響き渡らせるのだった。
by niagara-cafe
| 2005-06-24 09:37
| ■Niagara Cafe■
|
Comments(2)
Commented
by
gonosent
at 2005-06-27 21:16
x
いつもロムばかりでしたが、最近書き込みの頻度が落ちたような気がして、投稿しました。
モノクロ珈琲とこちらを訪れるのは殆ど日課になってしまいました。ロングチワワのオチに一喜一憂したりしております。
中上健次亡きあと、文学に希望はありません。
是非、2日に一回の更新をお願いいたします。
モノクロ珈琲とこちらを訪れるのは殆ど日課になってしまいました。ロングチワワのオチに一喜一憂したりしております。
中上健次亡きあと、文学に希望はありません。
是非、2日に一回の更新をお願いいたします。
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by
niagara-cafe at 2005-06-28 18:50
コメントをありがとうございます。
ブログのことは気にかけていながらも、忙しさとそれに伴い体調を崩してしまい更新が滞ってしまいました。
2日に1回は無理かもしれませんが、出来るだけ更新しますので
今後とも宜しくお願いいたします。
ちなみにぼくもモノクロ珈琲のファンです。
ブログのことは気にかけていながらも、忙しさとそれに伴い体調を崩してしまい更新が滞ってしまいました。
2日に1回は無理かもしれませんが、出来るだけ更新しますので
今後とも宜しくお願いいたします。
ちなみにぼくもモノクロ珈琲のファンです。